器の底に
溜まるものについて
透明な器の底に、うっすら茶色いものが溜まっていることがあります。 たいていはハイドロボールの細かい粉と、役目を終えた古い根のかけら。 植物の不調ではなく、器を洗う日にすすげば、それで済むものでした。

水を足そうとして器を持ち上げたとき、底のほうに目が止まりました。 ハイドロボールの粒のあいだ、いちばん下のところに、 薄い茶色の層のようなものが沈んでいます。
水は澄んでいるし、葉も元気そうです。 それでも、見えてしまうと気になる。 透明な器で育てるというのは、こういうところまで見えるということでした。
沈んでいたものの正体
器を窓のほうに向けて、底を横から覗いてみました。 茶色いものは、よく見ると二種類あります。 ひとつは、砂よりも細かい、赤茶色の粉。 もうひとつは、糸くずのように薄くて、水の動きに合わせてゆらゆらするものです。
粉のほうは、ハイドロボールでした。 粘土を焼いた粒なので、粒どうしがこすれると、表面が少しずつ削れて落ちていきます。 ハイドロボールを少し足す日に、 袋の底に同じ色の粉が残っていたのを思い出しました。
ゆらゆらするほうは、根の古い皮です。 新しい根が伸びるかたわらで、先に出ていた細い根は、少しずつ役目を終えていく。 葉が一枚ずつ入れ替わるのと同じことが、水の中でも起きていました。
洗う日まで、そのままにしておく
正体が分かると、急いで取り除く気持ちはなくなりました。 水が澄んでいて、においもなく、根が白くしっかりしている。 その三つがそろっていれば、底に少し沈んでいても、植物は困っていないようです。
片づけるのは、器を洗う日です。 水を替えるとき、容器の中を覗く時間のついでに、 ハイドロボールごとざるにあけて、水道の水でさっと流す。 赤茶色の水が少し出て、すぐに透明になります。 器の内側を指でなでて、ぬめりがなくなったら、元に戻すだけです。
一度だけ、様子が違ったことがありました。 水が白く濁った朝です。 あのときは底ではなく、水そのものが曇っていました。 底に沈むものと、水に広がるものは別の話なのだと、いまは見分けがつきます。
土の鉢なら、見えないまま過ぎていくこと。見えるから、気になって、見えるから、安心もできる。
すすいだ器を窓辺に戻すと、底まで光が通りました。 粒のあいだに、白い根の先が見えます。
何日かすれば、また少し沈んでくるはずです。 それは、粒が根を支えていて、根が入れ替わっているというしるしでもある。 次に洗う日まで、そのままにしておこうと思います。
Lamasiaの植物は、根も、器の底も見える、透明な器の水耕仕立てでお育ていただけます。
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