増えた株を、
もうひとつの器に分けた日

器の中が窮屈に見えてきたので、もうひとつ用意して分けました。 根が底で行き場をなくして、水を替えるたびに持ち上がるようになった頃です。 作業そのものは十分ほどで終わって、そのあと少し、置き場所に迷いました。

棚の一段に並んで置かれた、水耕仕立ての観葉植物がふたつ

買ってきた日は、ひとつの器に収まっていました。 それが夏のあいだに株が増えて、葉が両側へ広がるようになって、 気づけば器の口のところで押し合っているような格好になっていました。

分けよう、と決めたのは水を替えたときです。 器から持ち上げたら、根が固まりのまま一緒についてきた。 根が容器いっぱいになったら、次に考えることを 以前に書いたときと同じ状態で、あのときは器を大きくしましたが、 今回は増えた株のほうを分けることにしました。

水の中で、ほどいていく

洗面器に水を張って、その中で根を広げます。 引っぱると切れてしまうので、指で少しずつずらすようにして、 絡んでいるところをほどいていく。思ったより時間がかかりました。

白い根は、そのまま残します。 茶色くやわらかくなっていた数本だけ、ハサミで落としました。 水の中でほどいていると、どこからどこまでがひと株なのかが だんだん見えてきて、切り分ける場所はほとんど迷いませんでした。

新しい器に移して、ハイドロボールを少し足す。 粒のあいだに根を落ち着かせて、水は底から一〜二センチほど。 分けた直後は根が水を吸う力が落ちるので、しばらくは少なめに保ちます。

ふたつになると、部屋の見え方が変わる

作業が終わって、器がふたつ並びました。 同じ棚に置いてみると、なんだか見比べているような気持ちになる。 背の高さも葉の数も違うのに、もとは同じ株だったというのが妙でした。

結局、ひとつは元の棚に残して、もうひとつは離れた場所へ置きました。 並べておくと、どちらが元気かをつい数えてしまう。 離しておいたほうが、それぞれの様子が素直に目に入ります。 器の大きさを決めるときも、置く場所から先に考えたことを思い出しました。

ひとつだったものがふたつになる。買い足したわけでもないのに、部屋の中の緑が増えている。

分けなくてもよかったのかもしれない

いまでも少し思います。あのまま押し合わせておいても、 おそらく枯れはしなかった。分けたのは、必要だったからというより、 分けられる状態まで育ったことに気づいてしまったからでした。

数週間して、両方に新しい葉が出ました。 片方は早く、もう片方は少し遅れて。 同じ株から分かれたはずのものが、置き場所の違いだけで 別々のペースになっていくのを、いまは面白がって見ています。

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