水耕の鉢にも、
葉水はしたほうがいいのか
水耕栽培の植物にも、葉水はしてあげたほうがいい、というのがいまの答えです。 根は水の中にあっても、葉は部屋の空気の乾きをそのまま受けているからです。 根が水に浸かっているのだから要らないだろう、と霧吹きを持たずにいた頃の話を書きます。

土の鉢を育てている友人の部屋には、窓辺にいつも霧吹きが置いてありました。 朝、カーテンを開けたついでに、しゅっと二、三度。 それを見ながら、うちの鉢には要らないものだと思っていました。 根はいつも水の中にあって、乾くということがないのだから、と。
根は水の中なのに、葉先が乾いていた
気づいたのは、暖房をつけはじめて十日ほど経った頃です。 いちばん外側の葉の先が、ほんの数ミリ、紙のように薄い茶色になっていました。 水位は線のところにあって、根も白いまま。 水が足りないわけではないのに、と少し不思議でした。
しばらく見ていて、分かったことがあります。 根が吸い上げた水は、葉の表面から少しずつ空気に出ていきます。 暖房で乾いた部屋では、その出ていく速さが、根が吸う速さに追いつかないことがあるようでした。 根は水の中でも、葉は部屋の空気のなかにいる。 当たり前のことに、冬の植物の変わり方を見ていて、ようやく気づいた気がします。
朝、湯が沸くまでの時間に
それで、小さな霧吹きをひとつ買いました。 置き場所は、植物の器の隣ではなく、キッチンのケトルの横です。 朝、湯を沸かしているあいだに霧吹きを持って窓辺へ行き、 葉の表に二、三度、それから葉をそっと持ち上げて、裏側にも同じだけ。 湯が沸く頃には終わっているくらいの、短い時間です。
霧が葉に乗ると、緑が一段濃く見えます。 細かな水の粒が、朝の光をひとつずつ拾っている。 週末に葉を拭く習慣はもともとあったのですが、 霧を吹くようになってから、葉の上のほこりが目につくのも早くなりました。 毎朝近くで見ているからだと思います。
茶色くなった葉先が元に戻ることはありませんでしたが、 その冬、新しく茶色くなる葉はありませんでした。
毎日でなくていい季節もある
春が来て、窓を開けて過ごす日が増えると、霧吹きを手に取る日は少しずつ減りました。 梅雨の頃は、ほとんど触っていません。 湿気のある部屋では、葉の表面がもともと乾きにくいので、 思い出したときに吹くくらいで、葉先は変わらず緑のままでした。
夏になって冷房をつけると、また朝の霧吹きが戻ってきます。 冷房の風も、暖房と同じように部屋を乾かすからです。 一年を通して見ると、霧吹きを使うのは、冷暖房をつけている季節の朝だけ、ということになりました。 ほかの部屋に移した鉢では、洗面所の湿り気のおかげで、葉水の回数がむしろ減ったこともあります。
ひとつだけ、気をつけていることがあります。 冬の夜には吹かないこと。 一度、寝る前に思い出して吹いたら、翌朝、窓に近い葉が冷えて縮こまって見えました。 それからは、部屋が暖かいうちにだけ、と決めています。
根が飲む水と、葉がまとう水は、べつのものだった。
霧吹きは水やりの代わりにはなりません。 水位が下がれば、これまでどおり器に水を足します。 ただ、ケトルの横に霧吹きが置いてあるおかげで、 毎朝、湯が沸くまでのあいだに、一度は葉の裏まで見ることになりました。
Lamasiaの植物は、ハイドロボールの水耕仕立てで届き、やがてお好きな鉢へ植え替えて育てていただけます。
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