伸びすぎた蔓を、
切らずに巻いてみた日

長くなりすぎた蔓は、切らなくても、器のまわりにゆるく巻いて収めることができます。 折らないこと、締めつけないこと。気をつけるのはその二つくらいでした。 巻いたあと、葉がまた光のほうへ向き直るまでの数日のことを書いておきます。

窓辺の木のスツールに置かれた、水耕仕立てのポトスと透けて見える根

棚の縁から垂らしていたポトスの蔓が、床に届きそうになっていました。 いつもなら、ここで剪定バサミを出してくるところです。

ただその日は、先のほうにまだ若い葉が二枚、きれいに開いていて、 それごと切ってしまうのが少し惜しく思えました。 切るのはいつでもできる。その前に、一度だけ巻いてみることにしました。

手のひらくらいの輪で、ゆっくり一周

やったことは単純です。 垂れていた蔓を持ち上げて、器の口のまわりを一周させ、先を内側に戻しただけ。 輪の大きさは手のひらくらいにしました。 それより小さく丸めようとすると、茎がしなるのではなく、折れそうな手応えに変わります。

気をつけたのは、葉の付け根にある節を指でつままないこと。 持つのは節と節のあいだの、少し硬いところです。 蔓は思ったよりしなやかで、急がなければ素直に曲がってくれました。 ひもで留めることもしていません。 蔓どうしが軽く重なっているだけで、輪は意外と崩れないものでした。

床に向かっていた一本が、器の上に収まる。 棚の上の景色は、それだけでずいぶん静かになりました。

葉が、向き直るまでの数日

巻いた直後は、正直なところ少し不格好でした。 下を向いていた葉が横を向き、裏側を見せている葉もある。 無理をさせたかな、と思いながらその日は眠りました。

三日ほどたつと、葉の向きが揃いはじめます。 窓のほうへ、一枚ずつ、ゆっくり顔を上げていく。 一週間もすると、最初からそういう形だったように落ち着いていました。

もうひとつ気づいたのは、ハイドロボールに触れていた節のあたりから、 白い根の先が小さく出てきていたことです。 透明な器だから、それが見えた。 巻いただけのつもりが、株のほうはそこを新しい足場にしようとしていたようです。

切るか、巻くか

どちらが正しいというわけではないのだと思います。 株の形を整えて、付け根から新しい芽を出させたいなら切る。 いま開いている葉を、そのまま手元に残しておきたいなら巻く。

以前、支柱を立てるかどうかで迷ったときは、 置き場所で決めました。今回は、葉の数で決めたことになります。 それに、巻いた蔓はあとからでも切れますが、切った蔓は戻せません。 迷っているなら、先に巻いてみるほうが、選び直せる余地が残ります。

切るのはいつでもできる。そう思えただけで、ハサミを置く手が少しゆっくりになった。

あの輪は、いまも器の上にあります。 先のほうの葉がまた少し伸びて、輪の外へはみ出しはじめた。 次にどうするかは、そのときにまた考えればいいと思っています。

Lamasiaの植物は、蔓の伸び方も根の出方も見届けられる、水耕仕立てでお届けしています。

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