茎から茶色い根が伸びてきたので、
切るか残すか考えた
茎の途中から宙に伸びる茶色い根は「気根」と呼ばれるもので、植物が弱っているわけではありません。 邪魔にならなければそのまま残し、気になれば清潔なハサミで切っても大丈夫です。 水耕の器なら、先を水の中へ導くという三つめの選び方もある、という話です。

水を替えようと器を持ち上げたとき、指先に、乾いた細いものが触れました。 茎の途中、葉のつけ根の少し下から、茶色い根が一本、宙に向かって伸びています。 長さは指一本ぶんくらい。先だけが少し明るい色をしていました。
器の中の根は、白くて、水の中でゆらゆらしています。 同じ株から出ているのに、こちらは硬くて、どこにも浸かっていない。 はじめて見たときは、何か具合が悪いのかと、しばらく手を止めて眺めていました。
宙に伸びる根を、はじめて見た日
あとで知ったのは、これが「気根」と呼ばれるものだということです。 森の中では、木の幹や岩に絡みついて体を支えたり、 空気の湿り気を受け取ったりするための根なのだそうです。 部屋の中には絡みつく木がないので、行き場がないまま、宙で止まっている。
そう思って見ると、弱っているというより、 何かにつかまろうとして手を伸ばしているようにも見えました。 葉が窓のほうへ傾いていくのと同じで、 植物なりに、自分のいる場所を確かめているのかもしれません。
切るか、残すか、数日迷った
正直に言えば、見た目は少し気になりました。 すっきりした茎の線から、一本だけ茶色いものが斜めに飛び出している。 棚に戻すと、その根の先がちょうど隣の本の背に当たります。
調べてみると、気根は切っても株が弱ることはほとんどないようでした。 剪定バサミを出してきて、刃を茎の近くに当てたところで、なぜか手が止まりました。 せっかく伸ばしてきたものを、届いて間もない頃から見てきた株から切り離すのが、 なんとなく惜しかったのだと思います。 その日はハサミを置いて、数日、ただ眺めることにしました。
器の中へ、そっと導いてみる
三日目に、もうひとつの選び方があることに気づきました。 根の先を、器の中へ入れてみる。 茎の向きを少しだけ変えて、根の先がハイドロボールのすき間に届くように置き直しました。 伸びすぎた蔓を巻いた日と同じで、切らずに、置き場所を変えるだけです。
それから三週間ほどして、透明な器の側面越しに、 茶色かった根の先から白い部分が伸びているのが見えました。 水の中で、ほかの根と同じ色になりはじめている。 宙で行き場をなくしていた根が、ここを居場所にしたようでした。
器の中の根が一本増えたぶん、水の減りも心なしか早くなった気がします。 いまは水を替える日の間に、水位を一度だけ覗くようにしています。 もちろん、次にまた気根が伸びてきて、それが邪魔になる場所なら、 そのときは迷わず切ると思います。どれも間違いではないので。
切っても、残しても、器に入れても、植物は困らない。迷っていたのは、どの姿で一緒に暮らしたいか、ということだけだった。
今朝、茎のもう少し上に、小さな茶色い突起がひとつ出ているのを見つけました。 これがまた伸びてきたら、どうするか。今度はもう少し早く決められそうです。
Lamasiaの植物は、ハイドロボールの水耕仕立てで届き、やがてお好きな鉢へ植え替えて育てていただけます。
Lamasiaの植物を見る